AKITOの思考ノート

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#1 【パソコンの修理費用とか教員の確保とかどうするんだろう】GIGAスクール構想は果たして成功するのか勝手に考察

GIGAスクール構想

 天下の文部科学省が中心となって動いているGIGAスクール構想。全国に住む子供一人一人に対して、パソコン一台配布することを目標にしています。

 本来は2023年くらいまでを目途に配り終えることを目標にしているらしいのですが、新型コロナウイルスの流行によりオンライン授業の需要が高まったことを受けて、出来る限りや早くの達成を目指すことにしているようです。

オンライン授業は今後も、インフルエンザによる学級閉鎖とか不登校の児童に対しても有効に使えるツールなので、全国整備が進むことは大きな一歩です。

ちなみにGIGAスクール構想とは、「Global and Inovation Gate way for All」の略です。GIGAという名前だけ知っていても正式名称を知らない人は割と多いかもしれないので、正式名称を知っていると少しだけマウント取れます笑

 

構想の盲点

ここからは、GIGAスクール構想にある盲点についていろいろと検討してみます。

1:維持やメンテナンス問題

まず一つ目が、補助金でパソコンを配った後の維持やメンテナンス費用はどう負担するの?」問題ですこの構想で国が負担する金額は、最初に配布するパソコン一台分のみなので、その後は結局学校側が色々と費用を負担しないといけないのです。

こういう事態を回避するために動いているのが、お金持ちの親御さんを抱える「私立」の学校の方たち。一部の私立学校では、入学と同時パソコン端末を購入することを推奨しています。将来的に学校側がお金を負担しなければならないのなら、最初から生徒一人一人に買わせればいいのです。また、入学と同時にパソコンを購入することをある意味「義務化」してしまえば、学校が無駄なメンテナンス費用とかを負担する必要性もなくなります。

さらに、このパソコンは学校から借りているわけではないので、自由持ち帰ったり家庭学習に使ったりすることもすべて生徒の裁量に任せることもできます。学校のルールに束縛されず自分の学び自由広げることができる点で、かなり合理的な制度でしょうね。

一部の自治体では、学校での使用における破損やメンテンナンス等の維持費用を負担する仕組みもあるようです。しかしそれも自治体によって対応はバラバラなようで。いい意味で「地方自治の尊重」、悪い意味で「バラバラでよく分からない」のが日本の地方制度です。

www.chunichi.co.jp

2:一人一人にあったカスタマイズが難しいことがある

当該事業の予算を使ってパソコンを購入した場合、一学校内の生徒一人一人が持つパソコンの機種やバージョンは全て同じになると思われます。一人だけ超ハイスペックのパソコンを持っているなんて考えられませんからね。

さらに学校で配られているパソコンは、基本的には卒業と同時に学校側に返却しなければなりません。「教育」のために国費を使って購入しているわけで、そのパソコンやタブレットは学校の財産であるからです。学校に所有権があると、自分が持っているパソコン内部の設定を自由にいじくったり、新しいアプリケーションをダウンロードしたりすることも制限されることになります。

同じ端末に同じ制限をかけてデバイスを使わせるような画一的な教育をしていると、生徒の自由な発想好奇心妨げてしまうことにもなりかねません。

エストニアでは、BYODという取り組みが行われています。BYODとは、「Bring Your Own Device」の略で、自分だけのデジタル端末を学校に持ち込むことを意味しています。学校のものではないので、どこに持っていこうと自分の自由なのです。

解決するためには?

国と学校の事業をハイブリッドに組み合わせる

こういう問題を解決するためには、国からもらえる予算と学校で行う事業を上手く組み合わせることが大事です。国からもらえる予算とは、すなわちGIGAスクール構想のこと。学校で行う事業とは、これは私立の学校に限定されてしまうかもしれませんが、生徒の家庭自身が端末の購入費用負担することです。

国費と家庭負担をハイブリッドで活用することによるメリットは主に2つあります。

1つ目が、学校がかなり高性能お高いコンピュータ買うことができる点。重たい動画編集アプリもも高度なプログラミングも余裕で動かせるような、ちょっと高いけれど買う価値があるような、そんなデバイスです。GIGA構想で配られた国費を、一般の家庭では買えないような高機能PCの購入費用にあてることで、生徒の学びの幅をさらに広げることができるでしょう。

2つ目が、生徒自分だけのパソコンを持つことで、一人一人の学習スタイルにマッチしたカスタマイズができること。動画編集を学びたいならそういうアプリケーションを入れればいい。ブログ経営を学びたいならwordpressとかを入れればいい。学校がパソコンを管理しているわけではないのですから、基本的に自由な設定ができてしまう訳です。

国がパソコン購入クーポンを発行する

上の解決策ですと、やはり私立の中学高校だけが独り勝ちしてしまい、公立・都立の学校と教育格差がついてしまうかもしれません。そこで効果的な政策が、「クーポン」を発行することです。

  1. 国が各家庭の子どもの人数に応じた枚数のクーポン券を発行する。このクーポン券はの利用は「パソコン購入」の目的に限定される
  2. 各家庭は、家庭の教育方針や子どもの特性に合ったパソコンを自由に選び、政府から与えられたクーポンを利用して購入する
  3. クーポンを受け取った企業は、政府からの補助金をもらう。

パソコンの購入「だけ」に利用することができるクーポン券を子供一人につき一枚発行し、それを子どもがいる全世帯に配布します。このクーポンを貰えば、一枚につき一台のパソコンと交換することができます。

クーポンを貰った家庭は、それぞれの子どもにあったパソコンを自由に選んで購入できるようにします。富士通でもNECでもmouseでも、どこでもOK。選ぶCPUも自由。学校や国が購入するパソコンを1機種に限定しない点で、生徒や各家庭の意見を尊重することもできますね。

メモリに関しては、一応8GB以上という制限はかけておいた方がいいでしょう笑。4GBだとシステムの動きが遅くてせっかくのICT学習が非効率になるかもしれないからです。

過度に国の予算圧迫しないように、購入できるパソコンの機種数50種程度制限することも効果的です。全員が全員Macブックの最高級モデルのパソコンと交換してしまったら、流石に国家財政が持ちません。よって、国が事前に購入できるパソコンの種類を決めてしまおうという訳です。

もちろん、このクーポン券は「紙」より「デジタル」の方が好ましいと思います。IT化が著しいこの社会で紙のクーポンが届くなんて時代遅れ甚だしいですし、なにより不正利用の問題も起こりやすくなるからです。マイナンバーカードなどを通してデジタルクーポンを発行できれば、自分の好きなタイミングで好きな端末簡単購入できるようになります。

ちなみにこのクーポン制度、ヨーロッパ諸国では、「バウチャー制度」という形で違う使われ方がされています。いつ使うのかといえば、子どもたちが通う学校に対して使われることが多いです。

家庭に割り当てられたクーポンを子どもの進学したい学校に対して利用することで、学校側は、受け入れ人数に比例した額の補助金政府から受け取ることができます。お金をかけずに自分の学びたい学校を自由に選べるという点で、スウェーデンなどの国で重宝されています。

ちなみにスウェーデンでは、紙の利用券は発行されていません。

今後について

GIGAスクール構想については、国際的な情報社会の流れに取り残されている日本における教育を変えるという意味では確かに有効ではあります。ただ、オンライン教育を積極的に導入すればそれで安泰という意味ではないことは確かです。

オンライン教育が遅れていても、日本人小中学生学力レベル世界トップレベですし(PISA、TIMSS等)、充実した義務教育のおかげで識字率も100%です。この状態を維持したまま、さらに教育の質を高めていくことが重要になります。

さらに、教員の確保も重要な課題ですね。いくら素晴らしい学習指導要領ができようと、いくら素晴らしいITデバイスが整備されようと、それを使いこなして生徒に正確に説明・対話できるようなスキルがなければ、全てが宝の持ち腐れになります。まさしく、猫に小判になってしまうかも。

今の時代、ベテラン教員の退任が多くなっているにもかかわらず、教員になりたいと志望する新規学生の人数は減少傾向にあります。2020年に実施された小学校教員採用試験の倍率は僅か2.7倍で、過去最低であったバブル期の2.8倍を下回っているのです。

文部科学省が進めている少人数学級や充実したプログラミング教育を実現をしていくためには、持続的優秀教員の確保は無視できない問題です。生徒は日本の宝であり、教師はその宝を育てるために欠かせない財産です。

GIGAスクール構想は、生徒のことばかりを考えいては決して成功しません。教師あっての教育教師あっての生徒の成長なのですから。

以上は、僕の独断と偏見に満ちた意見であり、絶対的に正しいといえるものではありません。暇な時間を使ってだらだらと書いた記事にすぎないことをご了承ください。