まくら
こんにちは、あと一週間で社会人なのに春休み気分が抜けないあきとです。
この度、東京電力管内におきまして電力逼迫警報が発令されたことについて強く遺憾の意を表するとともに、エネルギー供給の持続性の圧倒的欠如を露呈した再生可能エネルギー戦略を見直すよい契機となるであろうことに、深く喜びを申し上げたいと思います。
いきなりウザい文章を書いてしまい申し訳ありません。
今回の記事のテーマは、「整理してみたい。再エネの矛盾」です。
ぼくは昔から「再エネ礼賛主義」にはどこか気持ち悪さを感じていたのですが、その理由を具体的に言葉として説明できるかといえば、あまり自信がありませんでした。
なので、「だったらブログで自分の考えを書いてみよう」と思い立ったわけです。
あと、やっぱりロシアのこともありますね。
簡単にいうと、ロシアは、ぼくたちが当然のように歩んできた道に隠された「自己矛盾」や「過ち」に気づくきっかけを与えてくれたのです。
ということだけを書いても、果たしてなんのことやらわからないので、以下で具体的なことを書いてみたいと思います。
再生可能エネルギーの幕開け
地球環境を守ることを旗手に脱炭素(石油、石炭)を進めてきた国際社会。
日本では過去約十年にわたり、エネルギー供給における以上二つの新しいパラダイムに適応することが求められてきました。
そのためにつくられた戦略の大黒柱として期待されたのが、再生可能エネルギーという代物でしたね。
日本では莫大な補助金を再エネー特に太陽光ーに注ぎ込んだ結果、国土面積に占める太陽光発電の割合が世界一を記録するという、喜んでいいのやらよくないのやらわからないような業績を収めるほどになりました。
地球環境を守ることが目的なのに、投資による収益欲しさに林野を縦横無尽に切り開いて再エネをつくりまくることが「持続可能」なのかは知りませんがね。
実は管理がむずかしい「再エネ」
まるで「メシア」であるかのような信仰心を集めつつあった再エネ戦略ですが、こと最近については、そうともいえないような状況になりつつあるようです。
その原因は、主に三つ。
第一に、「不安定性」。第二に、「蓄電性能」。第三に、「国防」。
第一と第二の点についてはかなり有名ですよね。第三の点については、最後に少しだけ触れたいと思います。
たとえば太陽光については、日照時間が短い冬には期待している以上の電力を生み出すことができません。
じゃあ、光がさんさんと降り注ぐ夏はどうかといえば、今度は「つくりすぎ」の問題に対処しなければならなくなります。
日本に点在する大量のソーラーパネルが必要以上の電力を生み出してしまえば、いわゆる「電力需給バランス問題」へと発展します。
需給バランスとは、必要なエネルギー量と生産されるエネルギー量をそろえておかなければならないという原理原則のことです。
言いかえれば、貯めることがむずかしい電気は、多すぎてもいけないし、少なすぎてもいけないのです。
しかしながら、太陽光や風力は、時々刻々と変化する電力状況に対応するほどの能力をもちあわせていません。
再エネのアキレス腱は日本のアキレス腱
そこでとばっちり・流れ弾を食らうのが、「火力発電所」なのです。
火力発電所は、フルで稼働していれば安定かつ大量のエネルギーを生み出せますし、そのコントロールもやりやすい大変便利な施設だといわれています。
しかし、その運営を再エネに合わせなければならないとなると、いちいち火力を止めたり動かしたりしなければなりません。
つまり、いつも以上に無駄なコストがかかってしまいます。
ことに最近は、電力自由化がトレンドです。
自由化により電気料金が低下して、十分な収入が得られなくなる。
電力会社は、稼働している火力をフルで回すことができないし、電気代収入にもさほど期待できなくない。
結果的に、老朽化した火力を立て直すほどのメリットも気力もなくなってしまうようになるのです。
ただでさえ原発の一部休止が続いているのに、エネルギー供給の屋台骨である火力までをも休廃止せざるをえない状況にあるというのは、十分な自立電源を得ることができないという日本の「アキレス腱」を直撃するほどの出来事であるといえます。
すなわち、再エネの弱点が、日本の弱点をさらに抉ることになるのです。
電力逼迫は予測済み
そりゃ当然、電力は逼迫しますよね。
実は経産省や東電はここ一年のあいだ、「来年の冬は電力が逼迫するかもね!」みたいな発言をつづけていました。
すなわち、予測済みでした。
原発の再稼働が思うように進まないところに、火力の休廃止という珍事がなだれ込んできてしまいましたから、電力が足りなくなるのも無理はないでしょう。
さらに加えて、ここ数年は奇跡といわんばかりにいくつもの不運が重なりました。
たとえば、
- メキシコ発の大型ハリケーンの影響で石油施設の運転が休止になり
- コロナ後の景気急回復に伴い世界的にエネルギー需要が高まり
- 2022の冬はラニーニャ現象を受けて例年以上に厳しい寒さに見舞われ
- ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格が高騰し
- 今月中旬の宮城県沖の地震で一部の火力の運転が停止し
- 3月下旬にも関わらず雪が降るという謎の寒波に見舞われた
このように今年度は、今ふり返れば悪運にもほどがあるようなエネルギー危機に見舞われていたのです。
2022年3月に東北地方で震度6強の地震が起きようが起きまいが、ウクライナ危機が起きようが起きまいが、日本の電力需給システムが制度疲労に陥っていたことは紛れもない事実なのです。
そしてその元凶は、再エネのエコ「っぽい」ところだけに着目して太陽光や風力の魅力をひたすらに喧伝し続けてきたことにあります。
反グリーンニューディール
石油産業やシェールガスへの投資支援を表明していたトランプ元大統領とは違い、民主党のバイデン氏は、地球環境にやさしいエネルギー供給を支援するいわゆる「グリーンニューディール」政策を自身の政権公約の肝においています。
地球にやさしいことをすることに異論はありません。
ですが、バイデン氏肝いりのグリーン関連の予算は10兆ドルを超える天文学的な規模になります。
こうした「行き過ぎた」グリーン政策に歯止めをかけるきっかけとなったのが、今回のウクライナ危機にともなうエネルギー高騰問題です。
世界中にシェールガスなどを供給すれば、今回のエネルギー危機を巧みにかわせるほどのポテンシャルをもつアメリカ。
その可能性をつぶしているのが、非現実的なバイデン氏の脱・嫌炭素政策だからです。
現在アメリカでは、共和党だけではなく民主党からも、グリーンディール政策にたいする猜疑心がにじみ出てきている状況にあります。
再エネと国防
新しい科学技術は、ぼくたちの世界をより良いものにするためにもちいられなければなりません。
そのためには、「謙虚」に「何度」も「ネガティブチェック」を繰り返していくことが求められると思います。
あらゆる観点からあらゆるネガティブな点を洗い出し、テクノロジーをさらによりよいものにしていく。
この原則は、再エネにもあてはまります。
太陽光発電の一部は、世界中華帝国の実現をもくろむ中国系企業により運営されています。
中には自衛隊基地の近くに設置されているものもあるため、国防に関するセキュリティ情報が中国によりレーダー探知されている可能性も否定できません。
最近話題の洋上風力についても同様です。
海の上で大規模な発電をする以上は、港近くに「港湾基地」という核設備を建設する必要があります。
中国はまたもやこれに目を付けています。
オーストラリアのダーウィン港やスリランカのハンバントタ港などなど、中国の投資勢力に押されて土地を貸し出してしまうような国家もあるのです。
外資により支配された土地の国防力は圧倒的に低下します。
自国政府の監視が届きにくくなるからです。
こうしたリスクを考えずに、再エネの「夢」と「希望」ばかりに焦点をあてるような現在のエネルギー政策には疑義を呈さざるをえない。
「エネルギー安全保障」という言葉がある通り、エネルギー供給の程度が千変万化する国際情勢に振り回されることは、もはや国難であるともいえます。
まとめ
今回の記事では、再エネを過度に信仰することにともなう「リスク」について説明してみました。
ただ、再エネにもポテンシャルがあることは事実です。
エネルギー貧国である日本にとって再エネは、おそらく唯一の「自立電源」ですからね。
原発にしろ火力にしろ、エネルギー源は海外です。
再エネは、無限の可能性を秘めた「自然」という生命の源からエネルギーを得ることができる革新的なテクノロジーだといえます。
しかし無限の可能性がある以上、それはプラスにも働きますし、マイナスにも働く。
使い方を誤れば、再エネのポテンシャルをつぶしてしまうだけではなく、望まない災難をも招いてしまうものなのです。
つまり、再エネとは諸刃の剣。
言い方は悪いですが、今回のウクライナ危機をよい機会にして、多くの方に「再エネの自己矛盾」に気づいていただけたらいいなと思ってまーーーっす。
雑記
あしたは大学の卒業式なんですよね。
卒論もTOEICも終えた後の3月というのは、学生生活の中でいちばんゆっくりできた時間だった気がします。
新聞読んで本読んでゲームして料理して筋トレして寝て・・・。
こんな生活が送れるのも、あと一週間くらい。
国家の下僕としてのライフがスタートしてしまう前に、思う存分いまの時間を楽しみたいと思います。
うん。