AKITOの思考ノート

あきとの備忘録

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【ドラゴンボール】DBとインフレ論

こんにちは、あきとです。

ドラゴンボールはワンピースと並ぶ日本を代表する二大アニメ作品。

ぼくも父親が見ていた再放送を通してドラゴンボールを知り、その物語の深さや必殺技の魅力の虜になる人生を歩んできました

今回は、そんな魅力を語りながら、ドラゴンボールのインフレ現象について語りたいと思います。

ドラゴンボールの魅力

ドラゴンボールは、共感・感情移入できる魅力的なキャラクターの存在と、安易には予測できない巧妙なストーリー構成の二つの軸がその圧倒的人気を支える要素だと思います。

キャラクター

まず、個性が霞んでしまうキャラが一人もいません。各キャラの個性がその他多数に埋没していないのです。

たとえば、

悟空はサイヤ人譲りの負けん気の強さと地球人譲りの優しさを兼ね備えた主人公。

ベジータサイヤ人の王子としての気概とプライドをもつ主人公の良きライバル。

亀仙人は悟空やクリリンの師匠として武道の基礎を伝授した武道の達人。

ブルマは悟空とともにドラゴンボールを探し求める科学者の天才娘。

DBのキャラは、すべてが個性的であり、すべてが魅力的なのです。

ストーリー

敵との攻防戦は、DBの一番の見せどころですよね。

ぼくが評価したいのは、主人公が敵を圧倒して結末を迎えるような陳腐なストーリー展開を見事に回避している点です。

特に、フリーザ戦は歴史に残る戦闘でしたね。千変万化する戦局で展開される一進一退の攻防。その末に見えた勝利への一筋の光明と敗北への暗澹たる絶望。手に汗握る展開とはまさにこのことです。ぼく自身も、希望と絶望に幾度となく打ちひしがれながら、フリーザ戦を食い入る様に眺めていた覚えがあります。

DBは、その勝敗の行方が常に一本の細い綱の上で駆け引きされる躍動感と緊張感に満ち満ちているのです。

決してご都合主義に陥らない物語構成は、DBの魅力の一つに数え上げられるでしょう。

インフレ

ドラゴンボールは、その物語の進行に伴い、インフレが加速度的に進んでいることが指摘されています。

ちなみに、ぼくもです笑。

ここでいうインフレとは、戦闘力1単位の価値が低下することです。経済学におけるインフレは、お金の価値が下がることをいいますが、この「お金」が「戦闘力」に入れ替えてみてください。

たとえばZの初期は、敵の戦闘力が1,000程度でしたが、その値は徐々に五桁、六桁になり、今や「億」とか「京」の領域にまで及んでいる始末です。

否インフレ

突然ですが皆様は、ドラゴンボールに登場する必殺技をどれくらい覚えていますか。

とりあえず、アニメの中だけで考えてみます。

だいたいこんなところです。

必殺技の数は、多くても五つ程度。

しかしDBは、10年近くも連載された人気バトル作品です。にもかかわらず、必殺技の数が片手で数えられる程度しかないのは、改めて考えると若干少ないとは思いませんか。

この点が、DBのインフレを語る上で欠かせないもう一つの点です。

DBは、各必殺技の価値を風化・低下させずに物語を展開させています。

一般的なバトル作品では、新必殺技の登場は、消費者側の注目と人気を容易に確保できる便利な手段と捉えられています。ですが、DBは、そんな安易な手段に頼らずに、一つ一つの技を大切にして、それを物語を通じて使い続ける工夫をしているのです。

この点で、DBは、バトル作品特有のインフレを見事に回避しているといえるのではないでしょうか。

まとめ

物語が進めば、味方も強くなるし、相手も強くなります。

そのためバトル作品では、新必殺技が続々と考案されることが珍しくありません。それが物語に覇気と刺激を与え、その影響で新たなファンを獲得できることもあるからです。

ですが、DBは違います。

安直な必殺技の増殖を避けて、既存の必殺技の価値を守り、それの価値を受け継ぐ。

DBはそれを「美徳」としているようにすら思えます。

今後もDBは、新シリーズ「超」の漫画・アニメを軸にその製作が続けられていくでしょう。DBがその物語を続ける限りは、この美徳を守り続けてほしいですね。